でんぷんの加工方法
誘 導 体  でんぷんの無水グルコース残基の水酸基に、官能基を導入したものを誘導体と呼びます。親水基を導入すると、糊化開始温度が低くなり、糊液の透明性・安定性が向上。2 ヶ所以上の水酸基に多官能基を結合させると、耐熱性・耐薬品性・耐せん断性が向上します。また加工法を組み合せることも可能です。医薬・製紙・繊維等、幅広く使用されています。
分 解  でんぷんを酸と共に加熱して分解、または酵素を使用して加水分解したものをデキストリンと呼びます。冷水に可溶で、高濃度の糊液が調製可能です。でんぷんを有機酸または無機酸で加水分解したものを可溶性でんぷんと呼びます。分散性が良く、温水で溶解し、高濃度の糊液が調製可能です。医薬・染料等に幅広く使用されています。
アルファ化  でんぷんを膨潤または溶解した糊の状態のまま、急速に乾燥させたものがアルファ化でんぷんです。冷水で分散・膨潤して、容易に糊を再現。原料でんぷんの特性をそのままにアルファ化したタイプと、誘導体や可溶性でんぷん等の加工でんぷんをアルファ化したタイプに分類されます。食品・飼料・紙工業等、幅広く使用されています。
その他  でんぷん粒をほぼ真球状に造粒し流動性を高めた粒状でんぷんや、水分を調製し菌数を厳しく管理した滅菌乾燥でんぷんには、食品グレードと、日本薬局方の試験を行い医薬品として扱われる局方グレードがあります。また、液状油を吸着し粉末化する吸油性でんぷん等もあります。医薬・食品等に使用されています。
天然ガム誘導体  天然ガムの水酸基に官能基を導入したものを天然ガム誘導体と呼びます。冷水で簡単に膨潤し、でんぷんでは得られない高粘度の糊液が低濃度でも調製可能で、安定性が向上。主に捺染糊・粘結剤・増粘剤に使用されます。捺染糊では耐薬品性・保水性が向上し、脱糊性の改善に有効です。



加工でんぷんの特性要素
 でんぷんを加工することにより様々な性質を示すようになります。次の表は、その特性と状態またはタイプをあらわしたものです。
特性 タイプまたは状態 関連する言葉
溶解性 加熱糊化(溶解) 冷水糊化(溶解) アルファ化度
糊化開始温度 高い 低い 膨潤性、可溶性
粘度 高い 低い 増粘性
粘性 ロング  ショート 流動性、曵糸性
糊安定性 高い 低い 老化性、ゲル化、耐熱性、耐剪断性
水分 多い 少ない 吸湿性
イオン性 アニオン ノニオン カチオン 凝集性
乳化性 良い 悪い 相溶性
保水性 強い 弱い 吸水性
皮膜性 良い 悪い フィルム性


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