原料でんぷんの性質

 一般に利用されているでんぷんは、馬鈴薯でんぷん、とうもろこしでんぷん、小麦でんぷん、タピオカでんぷん、甘藷でんぷん、米でんぷんなどがあり、直鎖のアミロース成分と分技状のアミロペクチン成分からなる数ミクロンから数十ミクロンの白色粉末です。植物の起源により、これら構成成分の比率の差とともに、固有の粒の大きさや形などさまざまな違いのため、それぞれ異なった特性を示します。
起 源 粒径(μ) 平均粒径(μ) アミロース含量(%)
馬鈴薯でんぷん 根茎 5 〜100 50 25
タピオカでんぷん 根茎 4 〜35 17 17
とうもろこしでんぷん 種子 6 〜21 16 25
小麦でんぷん 種子 5 〜40 20 30


でんぷんの基本特性
溶解性  :  でんぷんは冷水では溶解しないため、植物の貯蔵体から容易に水で分離抽出されます。そして、その懸濁液は、加熱することにより次第に粘稠性を示し始め、透明な糊液となります。これは、でんぷん粒子の中でアミロペクチンが結晶性のミセル構造を作り、アミロースがそのミセルの間隙に非結晶状態で整然と配列されているため冷水中には容易に溶け込みませんが、加熱することによりミセルの中に徐々に水分子が入り込み、ミセルの水素結合を緩め、短分子のアミロースが溶解し始めて、やがてアミロペクチンが膨潤していく現象です。
糊化と老化:  でんぷんが加熱により膨らみ始め、更に温度を上げていくと徐々に水を吸着し膨潤が大きくなり粘度が上昇し、糊液は透明度を増していき、粘度が最高点に達します。更に加熱を続けるとでんぷん粒子の最外殻の最も結晶化度の高い表皮とも言える部分が崩壊し、内部のアミロペクチン、アミロースが溶け出し、熱や攪拌等のせん断によって粘度の低下が始まります。
 この糊液を冷却していくと、粘度は徐々に再び上昇し、更に冷却すると糊液は白濁し、透明度が減少していきます。その状態で長時間放置しますと、白度を増し、糊液が高濃度の場合にはゲル化し、低濃度の場合には離水現象を起こし沈殿を生じます。これはアミロースが冷却により離水し再結晶を起こし白濁したもので、でんぷんの老化の現象です。
粘度と粘性:  高温で糊化したでんぷん水溶液は、高い粘度と非ニュートン特性を示します。これは、ずり速度が大きくなると見かけ粘度が低下することを示し、膨潤したでんぷん粒子同士の相互作用と考えられます。また、馬鈴薯でんぷんのような曵糸性のあるチキソトロピックな粘性をロング(Long)、コーンスターチのような曵糸性の少ない塑性流動粘性をショート(Short)と表現します。


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